2024.11.8
宮城県2024.11.08
塩釜の特選「真ダラ」で作る
ヘルシー&贅沢“タイパ鍋”〈後編〉
株式会社ヤママサ

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株式会社ヤママサ

レンジでチンで、一人前の「タラ鍋」を

「魚料理ってどうしても面倒なイメージがありますよね。タラのおいしさを手軽に召し上がっていただきたくて、レンジで簡単に召し上がっていただける商品を作ろうと考えたんです」

今回、ヤママサが開発した商品は国産のタラを使った2種類の「たらちり小鍋」。上質な真ダラと野菜・うどんが入った食べきりサイズの鍋だ。

株式会社ヤママサ

「タラがメインのお鍋になるので国内産のタラを使用し、切り身を一切れ一切れ職人が手切りをしています。ヤママサで長年惣菜部門の企画をしてきたメンバーたちと一緒に何度も試作を重ねながら完成させました」と自信に満ちた表情を見せる。

野菜も風味も閉じ込めて、新鮮なままに

一人前の鍋には、分厚くカットされたタラの切り身とじゃこ天、野菜、うどん、鍋つゆが入っていて、レンジでチンするだけで熱々の「たらちり鍋」が完成する。

野菜は、ねぎ、水菜、えのき、しめじの4種類。冷凍食品なのでフリーズドライされた野菜が入っているのだろうと予想していたら、新鮮な野菜が入っているので驚いた。

「野菜は製造当日の朝に市場から仕入れて、自社で水洗いし、職人がカットして入れているんです。CAS凍結という凍結技術で食材の細胞を破壊せずに冷凍するので、 レンジしたあとも新鮮な野菜のシャキッとした歯応えがそのまま楽しめます。タラのふっくらとした食感や麹の風味もそのまま閉じ込めるので、出来立ての味がお届けできるんです」

株式会社ヤママサ

「鍋の味の決め手となる鍋つゆも、何度も何度も試作を重ねてきました。最終的には『醤油麹』と『仙台味噌』の2種類を用意しています。淡白なタラのおいしさを引き立てたかったので、コクがありながらもやさしい味わいを目指しました」

まず、醤油麹味の鍋つゆは、自家製の醤油麹がベースになっている。発酵食品である麹を使うことで、味がまろやかになるのだそう。北海道産の昆布をたっぷり使用した出汁と醤油麹を合わせ、シンプルながらも深みのある味にたどり着いた。あっさりとしたタラの旨味を引き立てる上品な味わいだ。

一方、仙台味噌味の鍋つゆは、仙台味噌の老舗の「三年みそ」を使用している。江戸時代から受け継がれた寒仕込みの天然醸造で、3年以上大桶で熟成させた味噌は赤味噌よりも深いコクが出る。芳香な香りが食欲を誘い、寒い冬には体の芯まで温めてくれそうだ。

忙しい日にも、ほっと温まりたい日にも

やさしい味わいの鍋に絶妙な変化球を添えてくれる「じゃこ天」の存在にも注目したい。

小魚のすり身を油で揚げたじゃこ天の旨味が鍋つゆに溶け出し、あっさりとした鍋のなかでスパイスのような役割を果たしてくれる。うどんとともに旨味が凝縮された鍋つゆを啜ると、ほっと体がほぐれていくような感覚に包まれた。

株式会社ヤママサ
穏やかな塩釜港の景色

「タラは身がふっくらとした、栄養たっぷりなお魚です。お子さんからお年寄りの方まで安心して召し上がっていただきたいので、本当に自信を持っておいしいと思えるものだけを詰め込みました」と語る三嶋さん。

その笑顔の裏には、タラのおいしさを届けるために積み重ねてきた努力がある。だからこそ消費者の私たちも、安心して家族への食事や大切な人への贈り物に選ぶことができるだろう。

たとえば、忙しくて食事を作る時間のない日にレンジで温めるだけで、栄養も愛情もたっぷりの鍋があったらどんなに心強いだろう。あっさりとした鍋なので、受験生の夜食やご年配の方へのギフトとしても喜ばれそうだ。

タラを専門にひたむきに商品を作り続けてきたヤママサがお届けする「たらちり鍋」を、ぜひ堪能してほしい。

文・奥村サヤ 写真・窪田隼人