2024.01.12
千葉県2024.01.12
太刀魚の刺身を新鮮なままに。
日本一の水揚げを誇る「銚子」から世界へ!〈後編〉
一政水産株式会社

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前編はこちらから

地元の味をもっと海外へ広げたい

Xフリーザーの導入と活用により、新しい販路を開拓しはじめた一政水産。北川さんにはある目標があるという。

「銚子では色々な種類の新鮮な魚が獲れます。そのおいしさをたくさんの人に味わってもらいたいと思っていて、将来的には、海鮮丼のお店を出したいと考えているんです。Xフリーザーで凍結した新鮮な刺身があれば、お店では切るだけで商品を提供できます。いつか実現させたいです」

北川さんが見据える先は、国内だけに留まらない。海外にも強い興味を持ち、銚子の魚を世界へ展開できる可能性について想いを馳せている。

「実は、つりきんめの刺身は、オーストラリアに輸出しているんです。たまたま知人とのつながりでサンプルを送ったら気に入っていただけて取り引きがはじまりました。銚子の魚が海外へ渡ると思うとワクワクしますよね。今後は販路ををもっと増やしていきたいです」

商品を届ける工夫としてWebを活用

常に時代に合わせて挑戦を続ける一政水産。その攻めの姿勢は、Webの活用方法にも現れている。

「うちでは約10年前からECショップで商品を販売しています。今でも毎日注文をいただいているんですよ」

また、SNSの運用にも積極的だ。現在、注力しているInstagramにはカラフルな魚の料理が並び、魚の調理法やおいしい食べ方を積極的に提案している。

一政水産Instagramより

「Instagramは世界にもつながっているので、うちの会社をアピールするチャンスだと思い、日本語と英語で発信しているんです。また、魚は和食というイメージを多くの人が持っていらっしゃると思うのですが、洋風アレンジにもすごく相性がいいんです。そのことを伝えたくて、あえて目を引くような洋風料理をたくさん載せるようにしています」

一次産業に従事する企業は、まだまだWebやSNSの活用に積極的ではない場合もあるだろう。北川さん自身も「SNSは苦手で……」と語るが、それでも取り組むのは、常にチャンスを探しているからだ。

太刀魚の刺身についても、これもチャンスを掴むための挑戦だと語ってくれた。

「この地域では、まだ太刀魚を食べる文化が根付いていません。どんな方法で食べるのがおいしいのかと、料理法を試行錯誤し、醤油バターで焼いたり、フライにしてみたりするうちにハマってしまったんです。脂がのっていて旨味が強い魚なので、アレンジしがいがあります。太刀魚の調理方法の提案も含めて、たくさんの人に届けていきたいです」

Xフリーザーで新鮮さを閉じ込めた太刀魚の刺身をいただくと、上品な味わいながらも濃厚な旨味が口いっぱいに広がった。いつかこのおいしさが、海外の人たちまでも魅了する日が来るだろう。

文・中たんぺい