2023.12.1
宮城県2023.12.01
焼き立てが一番!アウトドアで楽しむ
「手焼き笹かまぼこ」〈後編〉
有限会社粟野蒲鉾店

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有限会社粟野蒲鉾店

原料は淡白で旨味のある「スケソウダラ」

粟野蒲鉾店が今回開発した手焼き笹かまぼこは、原材料に淡白で旨味のある「スケソウダラ」を使用している。

「ほかにも色々な種類の魚を使用して、配合を変えながら試作しましたが、自分たちが求める食感、味にはなりませんでした」

実は、かまぼこの原料となる魚も漁獲量が減少しているという課題がある。そのため、良質な魚種を仕入れるには限りがあり、一日に生産できる笹かまぼこの数は限られているそうだ。

「そのなかでも選りすぐりを仕入れ、旨味を最大限引き出せるように仕上げています」

有限会社粟野蒲鉾店

原料にこだわった手焼き笹かまぼこを実際に焼いてもらい、いただいた。片面につき2〜3分ほど焼くだけでプリッと弾けるような食感と魚の強い旨味が噛むほどに出てくる。

あえて時間をかけて自身で焼くことで、特別感が増し、さらにおいしく感じられるだろうと感じた。

おいしさだけじゃない、かまぼこの魅力

「実は昔、1ヶ月ほどかまぼこダイエットをしたことがあるんですよ」と粟野さん。

3食のおかずをかまぼこに置き換えるというシンプルなダイエットに挑戦したそうだ。

実は、笹かまぼこは1枚につき約30kcal、タンパク質は約4gと、低カロリー、高タンパク質の食品。現代のダイエットブームや筋トレブームにもマッチする食品なのだ。

当時160キロだったという粟野さんだが、かまぼこダイエットが終了した1ヶ月後には、周りから「細くなった?」と聞かれるほどの変化があったそうだ。

有限会社粟野蒲鉾店

「ダイエット中に、味変したくてかまぼこを色々な料理にアレンジしました。そこでわかったのですが、かまぼこってどんな料理にも違和感なくマッチするんです!」

そんな粟野さんだからこそ見つけたおすすめの手焼き笹かまぼこの食べ方を伺った。

ワクワクして食べて欲しい

「個人的に最もおいしいと感じる焼き方は炭火焼きですね」

笹かまぼこはバーベキューとの相性がよいらしい。ガスではなく、水分がほぼ含まれていない炭火で焼くことで、表面はパリッと香ばしく、中はふっくら柔らかく仕上がるのだとか。

手焼き笹かまぼこは、余計な調味料を入れず、魚の旨味を引き出してつくられているため、まるで焼き魚のような香りで食欲を刺激する。

有限会社粟野蒲鉾店

「僕のおすすめの食べ方は、『バター醤油』ですね。あらかじめレンジでバターを溶かして、しょう油と混ぜ、それをハケで塗りながら焼き上げるんです」

笹かまぼこから垂れたバター醤油が炭火で気化し、煙が当たることによって炭火焼き独特の香ばしい風味が生まれるのだとか。

「まだかまだかとワクワクしながら焼き目をつける瞬間が、楽しいんですよ!宮城県には笹かまの手焼き体験ができる施設はいくつかありますが、今回の商品で、いつでも、どこでも、自分好みにアレンジして笹かまを楽しんでほしいです」

日々、忙しく過ぎる現代だが、じっくりかまぼこを焼き、あえて手間をかけて楽しむ時間こそがぜいたくな味わいになるのかもしれない。家族や友だちと笹かまぼこを囲んで、最高の時間を味わってほしい。

文・佐々木僚 写真・ 株式会社ル・プロジェ