2023.02.8
千葉県2023.2.8
銚子から、世界へ。
~「銚子つりきんめ」の極上刺身を最高の状態で食卓に~ vol.01
一政水産

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  • 一政水産株式会社

新鮮なお刺身って、どこで食べられる?

「新鮮でおいしいお刺身が食べたい!」と思ったら、みなさんはどこに行きますか?お寿司屋?スーパー?もしくは、沿岸の観光地にいき、地場の食材を売りにしているお店でお刺身定食や海鮮丼を頼むでしょうか。

最近は、100円回転寿司のネタのクオリティもどんどん上がり、日本全国どのエリアでも、安価でおいしいお刺身が食べられます。スーパーでも、いつでも様々な種類のお刺身が選べます(夕方には割引も狙い目…!)。さらに沿岸をドライブすれば、つやつやと脂が光るお刺身がてんこ盛りの海鮮丼をアピールするフラッグが次々に目に飛び込んできます。

どれもそれなりにおいしいけれど、一度水揚げされた後に冷凍・解凍されたものだったり、地場のものと思って口にしていたものが、実は外国産のお刺身だったりします。お魚は、生物。もちろん釣られてから口に入るまでの時間が少なく、処理の工程が少ない方がおいしいに違いありません。

日本人はお魚、とくにお刺身が大好きな国民。

「生で魚を食べる」という文化も、それがおいしくて好きだというのも、日本に勝る国はありません。それを誰よりも肌で感じ、そこにビジネスの可能性をとらえ、本プロジェクトの商品開発に踏み切ったのが、一政水産株式会社の専務取締役・北川嘉一さんです。

20代で専務取締役に就任

北川さんは、千葉県銚子市でおよそ半世紀にわたり、水産加工業を営む一政水産株式会社の三代目。約10年前の20代のころ、そのポジションに就きました。水産業などの第一次産業は就労者の高齢化が進んでいるため、今回お話を伺うのも、もう少し年配の方かと思っていましたが、想像していたよりずっとお若い方で意外でした。お祖父様が創業され、お父様が引き継いだ会社。子どもの頃から、銚子港の市場に出入りするのは、当たり前の環境だったと言います。

「もう、はじめて市場に行ったときのことは覚えていませんね。会社を継ぐことに、何の抵抗も違和感もありませんでした。ただ、魚が好きだったので」

銚子は閉鎖的な部分がある、と北川さんは言います。どこの地域でも、地元の人はそう感じるのかもしれません。現在30代の業界では若手といえる北川さんが、ふた回り以上年上の「同業仲間」とよく飲みに行く、という環境が閉鎖的なのか、アットホームなのかは、銚子の漁業が未だ活発であることからも、読み取れるかもしれません。

日本屈指の脂ののった魚が獲れる銚子沖

銚子の沖合は、南下する冷たい親潮と北上する暖かい黒潮がぶつかり、小魚の餌となる多くのプランクトンが生みだされることで、年中脂ののった魚が生息する、日本屈指の豊かな海です。銚子で水揚げされる魚はサバ、マイワシ、サンマ、カツオ、マグロといった多獲性魚をはじめ、カツオ、マグロなどの回遊魚、キンメダイやヒラメ、カレイなどの底魚など約200種類。一政水産はこれらの魚を厳選して仕入れ、こだわりの製法で加工し、販売しています。

「国産」「生」のお魚最強説

日本は魚を生で食べる文化が定着していて、より新鮮なお刺身であれば、少々値が張っても構わない、という風潮があります。もちろん、日本食ブームで世界各国にお寿司屋があり、外国人の刺身ファンも増えました。しかし、やはり「ここまで生の魚にこだわるのは日本だけ」と、お魚のプロである北川さんは言います。回転寿司屋は、週末家族連れでにぎわい、スーパーは夕刻になるとお刺身がほとんど売れ切れ、海沿いの観光地に行けば、お刺身定食や海鮮丼が人気。

「外国産」よりも「国産」、「解凍」よりも「生」に、より高いお金が支払われる。それはやはり、誰もが一度冷凍されているものより、生のまま提供されたものの方が、新鮮で価値があり、味も勝ると知っているからでしょう。「一度冷凍し、解凍した魚は生のものより鮮度が劣る」というのは常識的に考えれば当たり前なのですが、その常識を覆すような、技術があったのです。

文・写真:朝倉 奈緒(写真1、2枚目)

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